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串打ち三年 裂き八年 焼き一生
~好きこそものの上手なれ~
鰻屋「かざん」は、私の生涯をかけた最後の挑戦として、一切の妥協をせず、私自身が納得のいく美味しい鰻をお客様へお届けしたいと言う想いでオープン致しました。
私がまだ若かった20代の頃、某有名鰻屋で修行を積み、鰻~割烹料理~洋食まで、これまで様々な食の分野で包丁を握って参りました。その中でも鰻の魅力は素晴らしく、串打ち三年・裂き八年の修行を経て、個人的に鰻の素材研究や、育った環境・水質による味や匂いの違い、鰻そのものの生体に興味を持ち探求していくうちに、一生をかけて"うなぎ"と"焼き"の追及をしてみたいと思うようになりました。還暦を超え、培ってきた経験を活かし、自身の集大成として、このような挑戦ができる事に感謝しながら、人生最高の鰻を焼くために日々邁進していきたいと志しています。
鰻の素材にこだわる
季節や産地、鰻が育つ環境、エサなどによって、どうしても個体差が出てしまいます。サイズ感や脂の乗り方、旨味、食感、身のしまり方、匂いなど、人間も皆見た目や体臭が違うように、鰻も食べたものと水など育つ環境で素材が決まります。だからこそ、養鰻場へ出向き、鰻が育つ環境をこの目で見て、何度も話をして、私自身が納得のいく鰻を仕入れています。
まだ、鰻を自分で育てるまでには行きついておりませんが、お客様に、安心して美味しく食べていただけるよう、厳選された鰻を仕入れる努力をしています。
至高の炭火焼
最高に良い条件で鰻を焼きたい
備長炭を使った炭火で鰻を焼くこと。これは私の焼きへのこだわりのひとつでもあります。鰻を調理する際、ガスでは出せない感触が、炭では出せるのです。ガスは最大でも700度前後ですが、良い備長炭を使えば最大約1500度の炭をおこす事ができます。この高温度がとても重要で、高温の炭火で焼かれた鰻は、表面はカリッと香ばしく、芯までしっかりと火が通り、旨味や良い脂は流れ落ちません。
ガスで焼くと焼いた直後から酸化がはじまりますが、炭焼きの場合は炭化してアルカリ性になりますので、酸化せず身体にも良い効果が得られると考えています。
「こなし」という手法
ただ炭火で焼くだけではなく、「こなし」という技術を用いています。炭を使用するのは大変ですし、高度な技術を要します。その日の鰻の状態を見極めて、炭の状態に合わせてみたり、鰻の状態に合わせてみたり、経験で合わせながら焼くのです。経験も大事ですが、追及すればする程、焼き手のセンスが大事であると痛感します。「焼き一生」と言われる程、私自身もまだまだ、日々研究と勉強の毎日ですが、ご来店いただくお客様に、今の私に出来る最高の状態の鰻をお出ししたい思いで、焼きに努めております。
地焼きで美味しく焼く技
地焼きのいい所は、うなぎの素材を最大限に活かすことが出来る事だと、私は考えています。
・力強く、焦がさないように焼く
・炭火をねかせて芯まで火を通す
・素焼きでどこまで焼き込むかは、毎回が真剣勝負
・炭の具合と鰻の状態を見極める
そして最後にタレをかけて香ばしく仕上げる。鰻本来の良質な脂とうま味・コクをちゃんと残せるように、心がけています。
養殖鰻と天然鰻
最近の養殖鰻は、とても美味しくなっていて驚きます。30年前の養殖鰻と、現在の養殖鰻とでは、全然ものが違います。養殖の技術や研究が進んだ結果、美味しい養殖鰻が増えているのだと感心します。中には、天然に近い養殖鰻もあり、良い環境と良いエサにこだわった養殖鰻も多くなってきています。
福岡県内でとれる天然鰻、有明海の天然海鰻は、当店でも取り扱いがあります。日本一美味しいと言われる「ホシアオ」が手に入る事もあります。季節やタイミングによって、あったりなかったりしますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
「花山」から「かざん」へ
以前は、北九州市小倉の三萩野で「花山」という鰻屋を営んでおりました。その頃御贔屓にしていただいたお客様の事は今でも忘れません。お世話になった皆様、有難うございました。あの頃、バブル崩壊の影響は予想以上に大きく、花山は閉店しましたが、鰻を愛する想いは変わりませんでした。そして、還暦を過ぎた時に「元気なうちにもう一度、最後の挑戦をしたい」と言う思いが強くなり、再起奮闘して「鰻屋かざん」をオープンしました。私自身、鰻が大好きで、それを少しでも完璧な状態でお出ししたい。そして皆様に食べていただいて「美味しい」と言っていただけたら、本望です。
鰻への愛情とこだわりはもちろん、当店で使用するお米、醤油、山椒、オリジナルブレンドの蒲焼のタレ、手作りのドレッシング、自家製のぬか漬けなどなど、素材や調味料、香の物まで、こだわりを持って厳選したものを使用しています。皆様に「美味しい」と言っていただけるよう、日々「美味しいもの」を探求してまいります。
鰻屋 かざん店主
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